シェーカーティルティングチェア
キリスト教の一派であるシェーカー教がマンチェスターからニューヨークにわたり、俗世間から離れた田園地帯で共同生活を始めたのは1774年のこと。
イギリスの持つ伝統や勤勉さを守りながら、厳格に暮らしてきたシェーカー教徒は、農業に従事しながら、暮らしに必要なさまざまな道具を考案してきました。
中でも、シンプルで、特殊な技術がなくとも、組み立てやすいシェーカーの家具は、のちにイギリスにも渡り、ヨーロッパの様々な共同体やデザイナーたちに影響を与え、模倣されてきました。
このティルティングチェアは、後ろ脚の先端がティルティングボールと呼ばれるボールベアリングの構造を有していて、体重を後に預けた際にも、椅子が滑ったり床を擦ったりすることなく、椅子自体が自然に傾斜する仕組み。
規則正しく厳格に暮らしてきたシェーカー教徒に、このリラックスチェアの構造は似合わないように感じる。だが、シェーカー(shaker:揺らす)の名前の由来になった彼らの礼拝では、みんなで体を揺らしながら、踊ったり歌ったりしていた、という話を聞くと、その構造も頷ける。
ニューヨークのマウントレバノンシェーカー協会で、1850年頃に作られた椅子です。
取扱店舗
YAECA HOME STORE
素材:
木製